製造業を含むあらゆる業種で、AI・IoTの積極的導入によるDXが進められている。目的は、生産効率や業務効率の向上。その一環として、今回注目したいのが「過去図面の活用」だ。過去の製品設計による部品図や加工図、あるいは施工図や配管図、ネットワーク図などは、企業にとって極めて価値の高い資産。実際、新たな部品や製品の開発・生産設計においては、類似図面を引用し流用設計を行うケースも多いだろう。ところが、保管する図面枚数が増えれば増えるほど、目当ての図面を探し出すのは至難の業となってくる。なぜなら、図面は多くの企業において、熟練者の経験を頼りとした「属人的な管理下」に置かれているからだ。ベテランなら数分で見つけられる図面を、新人なら数日かかっても探り当てられないケースすらある。しかもその経験を積んだ社員たちは今後、いつ退職してしまうかもわからない。
こうした図面探しの課題を解決してくれるのが「図面検索AIシステム」だ。本稿では、その独自のアルゴリズムに基づくシステムのメリットと導入方法を紹介する。