食品製造業の最前線に携わる有識者二人が考える「DXの重要性と果たすべき役割」とは

我々の食生活を支える重要な役割を担っている食品製造業。北海道や沖縄をはじめ、日本の9道県において製造品出荷額に対する食料品の構成比がトップとなるなど、地域経済を支えるうえでも不可欠な産業であることは疑う余地もない。

しかし現在、食品製造業は大きな変動に見舞われている。他の製造業と同様に労働人口の減少やエネルギー・原材料価格の高騰といった課題への対応を迫られているだけでなく、品質要求水準の高まり、フードロスへの対応など業界特有の課題も顕在化している。中でも深刻なのが「労働生産性」の問題だ。農林水産省が公開している「食品産業生産性向上のための基礎知識」によると食品製造業の労働生産性(従業員1人当たり年間付加価値額)は、全製造業平均の6割程度に留まっており、生産性の向上が急務となっている。

このような状況下で、どのように生産性を向上させ、どのように課題を解決していけばいいのか。本資料では、日本能率協会コンサルティングでチーフ・コンサルタントを務め、農林水産省への出向経験があり食品業界・食品産業政策に精通している丹羽輝氏と、日立ソリューションズ西日本のシステムエンジニア統括リーダーで、食品製造業を中心に多数の企業へのシステム導入・DX支援実績を持つ浅野文宏氏にインタビューを実施しました。

主な目次

  1. 労働生産性の改善が急務。業界を取り巻く環境の変化
  2. 人・設備・材料・手法が激しく変動。DXを阻む業界特有の課題
  3. 自動化・省力化の実現へ。アナログ業務の弊害とDXの意義
  4. “標準”を定め、合わせる。DX推進に必要なプロセス
  5. 事例から見るDXが食品製造企業にもたらす効果
  6. 少量多品種生産がさらに加速。食品製造業における未来予測