製造業においても労働力不足は深刻な問題となっており、製造現場のデジタル化、すなわち「スマートファクトリー」の実現により業務の自動化・効率化をはかる動きが加速している。AIやIoTなど先進技術を用いて工場内の業務で生成される各種情報をデータ化して管理・活用するスマートファクトリーは、業務プロセスの改善をはじめ製品の品質向上、リードタイムの短縮など、あらゆる領域で大きな効果を発揮する。とはいえ、紙をベースとした業務が多い製造現場において、“工場のスマート化”は簡単なミッションではないのも事実。製造工程全体を管理できる「MES（製造実行システム）」の導入は有効な選択肢となるが、モノづくりに携わるすべての部門をまたいだ大規模な取り組みのため、導入をためらう企業も少なくないのが現状だ。
そこで注目したいのが、課題が発生している業務のデジタル化からスモールスタートし、段階的にスマートファクトリー化を進めるというアプローチだ。いきなり全体的なシステム化に着手するのはハードルが高いが、困りごとを抱えている業務1つ1つを改善していくというやり方ならば多大なITリソースを費やさずに実行可能。最終的には、昨今のビジネストレンドであるデータドリブン経営までを見据えた製造業DXの実現につなげることができる。このようなスモールスタートでペーパーレス化、工場のデジタル化を推進したいというニーズに応えてくれるのが、生産ラインの各工程と連携し、在庫・工程進捗などのリアルタイムな把握を可能とする「製造管理システム」となる。そこで本稿では、デジタル化で解決が図れる製造現場の課題を洗い出し、製造管理システムに求められる機能を確認。製造業のシステム構築に豊富な実績を持つ日立ソリューションズ西日本が提供する「製造管理ソリューション」の特長とメリットについて解説していく。

主な目次
（1）二重入力の発生、リアルタイム性の損失。製造工程で起きがちなミスやロス
（2）段階的にスマートファクトリー化を推進！「製造管理ソリューション」の実力とは
（3）効率的な製造管理を強力に後押しする「製造管理ソリューション」6つの機能
（4）入出庫管理業務からのスモールスタートでシステム化を推進！構築例から確認する「製造管理ソリューション」の導入効果
（5）対応優先度の高い分野から段階的にシステム化！「製造管理ソリューション」でリアルタイムな実績収集・管理を実現